2012/3/11(日) 黙祷。
1年前のこの日の衝撃を、今も鮮明に思い出します。
なかなか進まない震災や津波の復旧復興、
原発事故対応の紆余曲折、
マスメディアの残念な状況、
エゴイズムの相克から抜け出せない人間そのもの(もちろん自分も含めてです)への落胆、
そのなかから生まれつつある新しい可能性への期待感、、、
いろんなことを感じ、考えた1年でした。
そして自分の在り様を己に問い直す1年でもありました。
1月の広島展が終わってからのこの1ヶ月半、通常の作業と平行して、
今年も秋冬の個展で実施する予定の箸置プロジェクトのために箸置を作ってきました。
ひとつひとつを丁寧に作り、
痛くないように角を丸く仕上げ、
立つようにバランスを調整し、
「あの日を忘れない」という気持ちを込めて裏に「20110311」と彫り込んでいく。
約300個、うんざりするほどやってもやっても終わらない作業は、
自分にとって祈りにも似たような行為だった気がします。
本当にプリミティブなイメージだけど、
みんなでこうして温かく輪になっていけたらいいなあ…、と痛いほど思います。
これまでは日本赤十字社・東日本大震災義援金窓口に送金していましたが、
予定通り3月31日で終了になるようでしたら、別に送金先を検討したいと思います。
個人的な思いとしては、子供たちを支えるような形になればいいなあと思っています。
自分に子供がいないだけに、子供の大切さがかえって感じられてなりません。
最後になりますが、
あらためて震災の犠牲になられた方のご冥福をお祈りするとともに、
被災された皆様、ご家族の皆様にお見舞いを申し上げます。
そして、1日も早く平穏な暮らしが戻ってくるよう、心よりお祈り致しております。
2012年3月11日 震災から1年を迎えて。
中野 純