[立野窯日記]2011年8月

中野純ウェブサイトは、LinkIconhttp://www.junnakano.com/へ移転しました。
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2011/8/25(木)ひさびさ更新。 


1ヶ月以上、間が空きました。

その間に、震災から5ヶ月の節目も過ぎ
66年目の終戦記念日も過ぎました。

猛暑も一服しました。
残暑は続くものの,夜に窓に張り付く虫の数もずっと減り
野の草々の伸びも落ち着いて
空気も秋の気配を漂わせ始め
自然ははや冬に向けて支度を始めたような感があります。

季節の移り変わりは去年までと何も変わらないはずなのに。

今年はまったく感覚が去年までと異なってしまった気がします。
震災と、その後の原発事故によって。



原発事故に対する対応から明らかになってきた、日本社会のさまざまな不合理には
本当に言葉を失います。
電力会社ー政治家ー官僚ーメディアが結びついて作り上げてきたシステムが
いかにこの社会を危うい方向へもってきてしまったのか。

小出裕章さんの原発危機に対する警鐘には慄然としましたし
児玉龍彦さんの衆議院厚生労働委員会での怒りの訴えには涙がでました。
今週、早くも甲状腺異常や小児白血病が出たという報道もありました。
放射線の影響を受けやすい子供たちが今も内部被曝しつつあるのは本当にたまりません。
暫定規制値内と繰り返して見て見ぬフリの行政にも
あの手この手で原発再稼働を画策する電力会社にも
利権を手放そうとしない一部の官僚や政治家にも
本当に腹が立ちます。
明日の日本を担ってくれるのは子供たち次の世代なのに。
これでは国破れて山河あり、ではなく
人亡くして電力あり、になってしまいます。

また、チェック機能を果たすべきマスメディアによる報道もいかに偏っているか、
各方面の情報サイトや専門サイト、良心的なジャーナリストや研究者のブログ、twitterなど
ネットの情報をあたっているとよくわかります。
(twitterの情報はもちろんソースをあたるようにしています)

日本の社会はいつの間にかこんなに劣化してしまっていたのか、と暗澹たる気持ちになります。




でも。

ぼくたちはこうして今日も生き続けているわけですし
生き続ける以上、少しでも状況をいい方向へもっていけたらなあと、
ほとんど実社会では役に立たない身ながらもそう思います。

物を作る者にできることってなんだろう、

工芸の力って、アートの力ってなんだろう、

できる範囲内で自分にできることをすることも大事。

こういう時だからこそ、無心に作り続けることも大事。




いろんなことを考えながら、毎日制作に向かっています。



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