[立野窯日記]2011年2月

千葉県八千代市にある勝田台文化センター内の音楽室にて
「音楽室コンサート〜身近にクラシック〜」という、ミニコンサートが毎月催されております。

これは自身がピアノ弾きでもある母が企画・運営しておりまして
若いアーティストには発表の場を、
一般の方には気軽にクラシックを聴きにきていただける場を作りたいということで
始めてからもう５、６年になるでしょうか。
今月27（日）には67回を数えます。

このコンサートの画期的なところは、なんと入場無料なこと。
だから、クラシックに敷居の高さを感じる方にも気軽に聴きに来ていただけます。
演奏終了後、出口脇の机にカンパの箱が置いてあって
自由にカンパをすることができるようになっています。
もちろん、そのままお帰りになられる方もおられますが、
若いアーティストにとって、貴重な発表の場にもなるので、
それはそれで全く構いませんとのこと。

カンパが集まると、そこから室料だけを引いて、
あとはすべて奏者のところへ行きます。すばらしい明朗会計（笑）。
そして、それはそのまま奏者への応援の気持ちになるのです。

とても気持ちのよい、お金の使われ方だなあ、と思います。


なんの見返りもなく、
ただ上に書いたような、演奏発表の場と気軽にクラシックを聴ける場を、という情熱だけで
この月例コンサートをもう５、６年も続けている母には
身内のことながらすごいなあ、と思います。
そして、こういう草の根のコツコツとした活動こそが
きっと地域の文化の厚みを形作っていくんだろうなあ、とも。

それだけに、まずなにより続けることがとても大切。
ただ１回やって終わりというのは簡単なことで
それでは地域に根付いた文化の厚みは生まれてきません。
これからもこの試みが長く続いていけばいいなあ、と思っています。


八千代市近隣にお住まいの方いらっしゃいましたら
どうぞぜひ一度足をお運びください。
大きくはない音楽室ですが
それだけ間近に演奏を堪能することができます。
上で「若いアーティスト」と書きましたが
時にはキャリアのある熟練の演奏家が出演することもよくあります。





［音楽室コンサート〜身近にクラシック〜］


第67回　2011年2月27日（日）ヴァイオリン・ピアノデュオコンサート
　　　　　　　　　　　　　　　　Haelee Joo（ヴァイオリン）・内野江梨（ピアノ）

第68回　2011年3月19日（土）マンフレッド・アウスト　ピアノリサイタル

第69回　2011年4月17日（日）瀬尾久仁・加藤真一郎　ピアノ連弾リサイタル

第70回　2011年5月 7日（土）ルカス・ロレンツィ　フルートリサイタル
　　　　　　　　　　　　　　　　笠原純子（ピアノ）

　　□会場：勝田台文化センター　音楽室　℡047-483-2141
　　□開演：午後３時　入場無料
　　□主催：やちよ音楽だより




なにかご不明な点がありましたら
なんなりとご質問ください。
母に確認致しますので。
ご連絡はCONTACTフォームよりどうぞ。




それにしても、2011年ももうひと月過ぎましたね。
早いものです。

今年は松屋さんの個展が例年より３週間ほど早いので
制作もその分早めにしないといけなくて、
年明けてからも正月早々から制作に打ち込んでいるわけですが
そのかたわら、個人的に思うところありまして
意識して外にも出るようにしています。
というか、自然に意識が外に向いてきていて
それはそれで、制作する上でも大切な気がするので
その気持ちの流れに逆らわないようにしています。



先日、現代美術館でトランスフォーメーション展を観てきました。

人間が異形のものへと変容（トランスフォーム）していく、その有り様について
コンテンポラリーアートの切り開いたいろいろな表現技術を駆使して
人間のイマジネーションの多様な膨らみ方がそこにはありました。
その中にはきれいなものだけでなく、
人間の心の中に棲む醜さとか暗さとかもあるわけで
錚々たる顔ぶれの現代美術作家の作品を観ていくうちに
人間はどこまで人間なんだろう、と
人間の臨界について、つらつらと物思いに耽りました。

この展覧会、映像作品が多いのも面白かったです。
ぜひ！とお勧めしたいところなのですが、
残念ながら1/30ですでに終わってしまいました。
（というか、ぼく自身、
　この展覧会が中沢新一さんと長谷川祐子さんのキュレーションと最近知って
　興味がわいて急いで行ってきたもので…）

現在開催中のものとしては
森美術館で「小谷元彦展　幽体の知覚」も面白いです。前に書いたっけかな。
こちらは今月27日までの開催だそうです。