[立野窯日記]2011年3月

中野純ウェブサイトは、LinkIconhttp://www.junnakano.com/へ移転しました。
このtatenogama.comのアドレスはアーカイブとして当面残してあるものです。

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2011/3/29(火)今の自分にできること。 


チャリティへのお問い合わせをその後もいただいておりまして
通常注文用に残しておいた5本も結局すべて出すことに決め
本日最後のお問い合わせをいただいて、
手元にある20本すべてが、ご賛同いただいたみなさまのもとへ旅立つことになりました。

こうしてつたない呼びかけに応えていただいて、なんだかしみじみうれしくて
みなさんから元気を分けていただいた気がします。

個展などでお会いできる機会がありましたら、あらためてお礼を言いたい気持ちです。

中にはまだ個展をしたことのない地域の方もいらっしゃいますが
いつか必ず行きますので!気長に(笑)待っていてください。


終わってからの素朴な感想なのですが
こうやってチャリティの試みをすることで

「自分も義捐金送ってみようかな」

とか、同業の方々にも

「自分もこういうチャリティやってみようかな」

とか思ってもらえたらいいなーと思ったりしています。

ぼくは大勢でなにかをやるというのはあんまり得意な方ではないので
一人で始められることをとりあえず試みてみたわけですが
こうして20人の方にご賛同いただけただけでも自分にとっては本当にうれしいことでした。




さて。

桐箱は箱屋さんから手元に届いて箱書き済みです。

20110329-01.jpg
(箱書きをしたのがおとといで、その時にご賛同の入っていた19個分を撮ったもの。
 奥に見える花入が寝かせてあるのは余震対策です)


運送事情も落ち着いてきたようですので
もう少し様子を見つつ、ぼちぼち発送したいと考えています。
もう少々お待ちください。


なお、大変残念なのですが
花入がすべてなくなりましたので、
これからはお問い合わせをいただいてもご対応することができません。
申し訳ありません。

これ以上はぼくが言うべきことでもありませんが
もしこのチャリティにご興味を持たれた方がいらっしゃいましたら
ぼくのチャリティのアクションによらずとも
被災地でつらい生活を余儀なくされている多くの方のために
義捐金をお送りいただけたらうれしく思います。
その際はよかったら「気持ちだけ乗って寄付したよ!」とでもご連絡いただけたら
ぼくもとてもうれしいですし
ぼくにとっては先にご賛同いただいた20名の方々同様、
チャリティの絆で結ばれた”仲間”です。







それからもうひとつ。

まだ少し先の話なのでもっとあとにしようと思っていたのですが
ついでにご報告です。



震災後。

とりあえず花入のチャリティは始めたものの
次から次へと飛び込んでくる、あまりにも惨憺たるニュースの洪水に
まるで制作が手につかず
他に自分になにができるだろう、といろいろ思い考えていました。


今の自分にできること。

初動は花入のチャリティを試みた。それはそれでいい。
でも復興は長い道のりになるだろうことは確実。
じゃあ震災からちょうど3ヶ月後である個展の時にも
なにかできることはないだろうか。

そうだ、小さなもの、例えば箸置きとかだったら手に取りやすいし
たくさんの人に賛同してもらえるんじゃないだろうか──。

そう考えて、震災前に予定していた制作スケジュールをすべて放り投げて
被災された方の無事を願いつつ
亡くなられた方のご冥福を祈りつつ
ひとつひとつ丁寧に作りました。

20110329-05.jpg


ただただ無心に作り続けることで、
ゆっくりと自分の中で渦巻く、もやもやとした気持ちも落ち着いてきた気がします。



20110329-04.jpg


裏には自分のサインの他に「20110311」と彫り入れてあります。
20110329-03.jpg


この箸置きを、個展会場でチャリティ出品しようと思います。
まあ、最終的には松屋さんに相談して許可をもらわないといけないですが…。

写真は先日焼いてみた焼成サンプルでクヌギ灰釉のものですが
他にも藁灰釉や藍灰釉、松灰釉のものも焼く予定です。



「クヌギ灰釉轆轤目箸置」
20110329-02.jpg




2011/3/24(木)震災から14日。 


千葉でも余震が続いています。

千葉県東方沖が震源地のものもあって、
おとといあたりから今朝にかけては特によく揺れました。

揺れに慣れてくる一方で、
個展を控え、割れ物をたくさん抱えている身としては
いつくるかわからない余震への不安からなんでしょうか、
なんだか常に揺れているような感覚、いわゆる地震酔いもあったりして困ります。

益子や笠間の作家さんは工房や窯が壊れたりしているそうで、
同業だけにそのつらさが余計に推し量られて、お気の毒でなりません。

東京の美術館では当分閉館というところも出てきているそうです。
海外からの美術品貸出が
放射線被害や、節電による温度湿度管理ができない状況のために
停止措置がとられたということもあるようです。

また東京のギャラリーさんの中にもしばらく閉廊なんていうことも聞いたりします。



被災地で苦しんでいる方々や身を投げ打って復旧に努力されている方々のニュースを見るたびに
なにもできない無力感に苛まれるけれど
せめて自分にできることは節電と募金、あとは買いだめしないこと。

募金も最近は便利になりましたね。
ニコ動と赤十字を試してみましたが
ネットでクレジットカードで簡単に決済できました。

あとはきちんと自分の仕事を淡々と粛々とこなしていくことが大切。
そう思って仕事に向かうようにしています。

が、なかなか手につかないのですが(苦笑)。

きっと、この大災害に対して、今、どう感じたか、何を考えたか、どう行動したかが
のちのちの仕事にも、自分自身にも大きく影響してくるような気がします。




2011/3/20(日) NHKスペシャル「危機を乗り越えるために ~東北関東大震災から10日~(仮)」


本日 2011年3月20日(日)、 午後9時00分~10時55分、
NHK総合にて

NHKスペシャル「危機を乗り越えるために〜東北関東大震災から10日〜(仮)」

がオンエアされます。


中高時代の友人が、総合ディレクターとして制作に携わっています。
連絡をくれた、同じくNHKに勤める別の友人によれば

「彼は、報道番組部なので、地震直後から、前線投入されました。
 おそらく、顔色から見て、不眠不休作業が続いていると思われます。
 応援してあげて下さい。」

とのことでした。
(この友人自身も、自分の担当する番組の収録を終えて、今はこの番組の応援に入っているとのことです)


新たな事件、事故が次々と起こり、刻一刻と変化する状況の中で
NHKの看板番組である「NHKスペシャル」という、ひとつの番組にまとめあげるのは
強靭な精神力と体力と集中力を要求されているであろうことは容易に想像できます。

ここにも、この大災害に対して自分の持ち場で、必死の努力をしている人間がいるんだなあ、と
頼もしくもあり、
自分も頑張らなきゃなーと思いました。



2011/3/19(土) ご賛同ありがとうございました。


チャリティとしてご用意した5本+10本=15本の花入につきまして
昨日すべてご賛同をいただきまして
チャリティ販売を終了しました。

ご賛同いただきましたみなさま、どうもありがとうございました。
地元千葉や東京をはじめ
名古屋、神戸、岡山、新潟などいろいろな地域からご連絡をいただきました。

中には、仲のよい友人も一口乗ってくれましたし
普段からお世話になっている方も、個展でのお客様もいらっしゃいますし
まだお顔を見たこともない、初めましての方もいらっしゃいます。
性別も世代もいろいろで
「ああ、この大災害でつらい思いをしている人たちを助けたい!という思いはみんな同じなんだなー」
と、そのことが
このチャリティの試みをしてみて
まずはじめに感じた、とてもうれしいことでした。



このアクションを通じて、
ぼくのほうが、賛同してくださったみなさまからたくさんのものをいただいた気がします。

そうしてひとつ思ったのが
連帯している感覚というのが、とても力を生むんだ、ということ。

たとえばぼくが花入を普通に販売してその売上げを寄付して
みなさんもそれぞれに思う金額をそれぞれ個別に寄付する、ということもあるわけですが
こうしてひとつのアクションを起こすことで
互いの震災への思い、支援の気持ちが重なって
1+1=2以上の効果が出るのです。

もちろん、大前提になるのは自由意志である、ということ。
だれに強制されるわけでもなく、自然な気持ちの発露であるからこそ
気持ちと気持ちの相乗効果が出るんだと思います。

自由な連帯。



本当に、とても大切な、そして素敵な勉強をさせていただきました。
あらためまして、御礼申し上げます。
どうもありがとうございました。



御礼のご挨拶をチャリティページに載せてあります。
LinkIcon特別ページ


2011/3/14(月) チャリティ販売を追加しました。


昨日試みてみた花入のチャリティ販売ですが
昨日のうちに5名の方にご賛同をいただきました。
本当に有り難いことです。

そのことに勇気づけられまして
本日花入れの在庫を確認し、桐箱を箱屋さんに注文して
あらたに10本用意することにしました。

shien02.jpg

「販売」といってもぼくがお金をお預かりするのではなく
ぼくがするのは花入をお送りするまでです。
寄付はご自身でしていただきます。
寄付先は日本赤十字社さんを考えております。

詳細はLinkIcon特別ページにてご案内しています。

どうぞお気軽にお問い合わせください。



2011/3/13(日) チャリティ販売の試み。


ご存知のように、
マグニチュード9.0の大地震と、それに続いて何度も押し寄せる津波、
また福島第一原子力発電所の爆発事故によって
東日本大震災の被害が拡大しております。
ニュースから流れる惨憺たる映像にはただただ心痛むばかりです。


今現在も救出を待つ方や原発事故で被爆された方がたくさんいらっしゃる一方で
被害拡大回避のために寝る間を惜しんで尽力されている方もたくさんいらっしゃいます。

災害支援、人命救出のために
今この瞬間も尽力されている方には深く敬意を表しますとともに、
被災された皆様には心よりお見舞い申し上げます。
また、不幸にも亡くなられた方々には心よりお悔やみを申し上げます。

千葉も余震が続き、予断を許しませんが
今のところぼくも作品も工房も無事でおります。

たくさんの方がご心配くださって
メールやツイッター、電話でご連絡くださいました。
とてもうれしく心強く、あたたかな気持ちになりました。
本当にありがとうございます。
この場を借りて御礼申し上げます。

多くの方がそれぞれの立場でこの大災害に立ち向かっている中で、
自分にもなにかできることはないかと考え、
手元にある面取花入を販売して
その代価を購入してくださった方に
復興支援に寄付していただく試みをすることにしました。

詳細はLinkIcon特別ページにてご案内しています。
どうぞお気軽にお問い合わせください。



本当に、これ以上被害が大きくならないように祈るばかりです。



※チャリティ販売は用意した5本すべて終了しました。

 とりあえず手元に桐箱のある5個分あれば十分だろうと思ったのですが
 ご賛同いただける方が多いので
 桐箱を箱屋さんに発注して、もう少し追加を用意しようかと思案中です。
 明日、あらためて告知いたします。
 今回さっそくご賛同いただいた5名の皆様、どうもありがとうございました。
 みなさまのご好意が復興支援に生かされることを願ってやみません。






2011/3/1(火) 金沢と広島の個展日程が確定しました。


気づいてみれば一ヶ月ぶりの更新です(苦笑)。

毎日コツコツと制作しております。


さて、12月の金沢展と明けて1月の広島展の日程が確定しました。



○金沢展
 会期:2011年12月7日(水)〜13日(火)
 会場:金沢香林坊大和 美術ギャラリー



○広島展
 会期:2012年1月12日(木)〜18日(水)
 会場:広島福屋本店 美術画廊(小)



今年の下半期は名古屋(10月末)→金沢(12月)→広島(1月)とマラソンになります。

きちんとスケジュールを考えて制作しないと!
といい聞かせつつ、
今は紐作りで大物を作るのに没頭しております。

大物で、しかも紐作りなので時間ばかり過ぎていって全然はかどらない(笑)。

今年は夏の松屋さんも例年より3週間ほど早いのに
食器類もまだあまり作れていないのに
果たして間に合うのだろうか。…不安。

でも友人に話すと
「はいはいそんなのいつものことでしょ」
と軽くいなされます。



そんな3月1日。

近所の梅林が満開です。


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